拡張ディッキー=フラー検定(ADF)とは?
クオンツトレードやEA開発において、
「このデータは本当に平均回帰するのか?」
という問題は非常に重要です。
OU過程やZスコアを使った戦略は魅力的ですが、前提として
⭐ そのデータが“平均回帰性(定常性)”を持っているか
を確認しないと、単なる逆張りになってしまいます。
その判断に使われる代表的な手法が
**拡張ディッキー=フラー検定(ADF検定)**です。
結論:ADF検定は何をしているのか
まず結論から言うと、
⭐ 「この時系列が定常かどうか」を統計的に判定するテスト
です。
定常とは?
ざっくり言うと👇
⭐ 時間が経っても性質が変わらないデータ
例
非定常(NG)
- トレンドでずっと上がる価格
- ランダムウォーク
⭐ 平均が意味を持たない
定常(OK)
- 平均の周りを行き来する
- スプレッドや差分
⭐ 平均回帰が成立する可能性あり
なぜADFが必要なのか
平均回帰戦略では👇
Zスコアが大きい → 逆張り
という判断をしますが、
⭐ そもそも「戻る性質」が無ければ意味がありません
よくある失敗
⭐トレンド相場で逆張り
⭐ そのまま踏み上げ
⭐ これを防ぐのがADFです
ADF検定の考え方(超シンプル版)
ADFは、
⭐ 「このデータはランダムウォークか?」
を検証します。
仮説
- 帰無仮説(H0)
⭐ランダムウォーク(非定常) - 対立仮説(H1)
⭐ 定常
判定方法
ADFでは👇
⭐ **p値(p-value)**を見ます
基本ルール
| p値 | 判定 |
|---|---|
| p < 0.05 | 定常(平均回帰あり) |
| p ≥ 0.05 | 非定常 |
⭐つまり👇
p値が小さい → 平均回帰OK
OU過程の関係と前提
⭐平均に戻る力がある
ADFの役割
⭐その前提が成立しているか確認
つまり👇
ADF = OU過程が使えるかのチェックツール
実際のトレードでの使い方
基本フロー
① データ取得
② ADF検定
③ p値チェック
④ OKならZスコア戦略
具体例
- 通貨ペアのスプレッド
- 通貨強弱差
- 価格の差分
⭐ これにADFをかける
判定
⭐ p < 0.05
→ 平均回帰戦略OK
⭐ p ≥ 0.05
→ 見送り
EAへの組み込み(重要)→フィルターとして使う
if (ADF_p < 0.05)
{
// Zスコアでエントリー
}
⭐これだけで👇
⭐ トレードの質が一段上がる
注意点(超重要)
① 定常でも勝てるとは限らない
⭐ 平均回帰 ≠ 利益
② p値は時間で変わる
⭐ 常にチェック必要
③ トレンド相場では崩れる
⭐ ADFでも完全ではない
よくある誤解
❌ ADFが通れば安全
👉 そんなことはない
❌ ZスコアだけでOK
⭐ 危険
⭐正解👇
ADF + Zスコア + 相場環境
イメージで理解する
⭐ゴムひもモデル
- OU過程 → ゴムの存在
- Zスコア → 伸び具合
- ADF → ゴムが本当にあるか確認
⭐ この3つで初めて成立
まとめ
ADF検定の本質は👇
- 定常性をチェックする
- 平均回帰戦略の前提確認
- OU過程の適用可否を判断
一言で
⭐「戻るかどうか」を事前にチェックするフィルター
SEL Quant Notes的な結論
⭐ 平均回帰戦略は
OU過程 × Zスコア × ADF
で初めて“戦略”になる