🧾 導入(Hook)
「なぜ負けるのか?」という問いに対して、感覚ではなくデータで答えられるだろうか。
GOLDの裁量トレードを続ける中で、勝てる場面と負ける場面には明確な違いがあると感じていた。しかし、その違いを言語化することは簡単ではない。本記事では、実際のトレード履歴と価格データを用い、Jupyter Notebook上で分析を行い、「負けの原因」を定量的に特定した結果をまとめる。
結論から言えば、問題は方向感ではなく、「エントリーのタイミング」にあった。
📊 使用データと分析方法
データ
- トレード履歴(trades.xlsx)※MT5から取得
- GOLD価格データ(M1)※MT5から取得
分析環境
- Python(pandas / numpy)
- Jupyter Notebook
分析の流れ
- トレード履歴の整形
- 価格データとの結合
- 特徴量の作成(リターン・位置・乖離など)
- 勝ちトレードと負けトレードの比較
- フィルター検証
🔍 特徴量の定義
今回の分析では、以下の3つが特に重要だった。
① ret_5(直近5本リターン)
直前の価格変動の強さを表す。
② entry_pos_20(20本レンジ内の位置)
0 = 安値付近
1 = 高値付近
③ dist_ma20(MA20からの乖離)
価格が平均からどれだけ離れているか。
📉 分析結果①:勝ちと負けの違い
BUY(勝ち)
- entry_pos_20 ≈ 0.6
- dist_ma20 ≈ 中立
👉 中間ゾーンでのエントリー
BUY(負け)
- entry_pos_20 ≈ 0.85以上
- dist_ma20 大きくプラス
👉 高値掴み
SELL(負け)
- entry_pos_20 ≈ 0.1以下
- dist_ma20 大きくマイナス
👉 底売り(下げすぎ後のエントリー)
🎯 核心
負けの原因は「方向」ではなく「タイミング」
より正確には、
動いた後にエントリーしている
📊 分析結果②:フィルター検証
次の条件でフィルターをかけた。
ret_5 < 0.0007
entry_pos_20 < 0.85
結果
- トレード数:12回
- 総損益:+54,063円
- 勝率:83.3%
元の成績:
- 35回
- -109,060円
👉 劇的に改善
💥 SELLの問題
SELL単体の成績:
- トレード数:9回
- 総損益:-137,962円
- 勝率:33.3%
👉 SELLは現状、完全に不利
📌 暫定トレードルール
エントリー条件(BUYのみ)
① ret_5 < 0.0007
② entry_pos_20 < 0.85
警戒条件
③ dist_ma20 < -3.0 → 下げすぎ
エントリー禁止
・高値圏(entry_pos_20 > 0.85)
・直前急騰(ret_5 > 0.0007)
・下げ途中(dist_ma20 < -3)
🧭 トレード判断フロー
① BUYか?
② ret_5は小さいか?
③ 高値圏ではないか?
④ 下げすぎていないか?
→ YESならエントリー
📈 MFE / MAE分析
平均値:
- MAE ≈ 5.78
- MFE ≈ 8.04
👉 エントリー後は利益方向に伸びやすい
つまり、
エントリーの質は改善されている
⚠️ 残った負けの特徴
2パターン存在した。
パターン①
伸びないトレンド
→ MFEが小さい
パターン②
下げ途中の逆張り
→ MAEが大きい
🧠 本質的な学び
今回の分析で最も重要だったのはこれだ。
「良いトレード」を探すより
「悪いトレードを削る方が早い」
そしてその悪いトレードは、
追いかけエントリー
である。
🚀 今後の改善
① 期間拡張
1週間 → 1ヶ月 → 3ヶ月
② SELL戦略の再構築
別ロジックで作り直す必要あり
③ 決済最適化
- トレーリング
- 部分利確
🧾 結論
勝てない理由は方向ではなく、タイミングだった
そして改善方法はシンプルである。
動いた後に入らない
🏁 まとめ
- SELLは現状停止候補
- BUYは厳選すれば優位性あり
- 負けの原因は「追いかけ」
- データで裁量を改善できる
✍️ SEL的コメント
この分析は、裁量トレードを「再現可能なロジック」に変換する第一歩である。
今後は、このルールをベースにEA化・インジケータ化を進めていく予定。