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通貨強弱と欧州時間の反転を捉えるEA「レジーム ポートフォリオ – Stable Edge Quant .v2.04」を開発しました

通貨強弱と欧州時間の反転を捉えるea「レジーム ポートフォリオ – stable edge quant .v2.04」を開発しました

Stable Edge Labでは、統計的な視点から金融市場の構造を捉えるEAシリーズとして、Stable Edge Quant の開発を進めています。

今回は、その中でも複数通貨ペアの相対的な強弱と欧州時間の値動きに注目したEA、
レジームポートフォリオ – Stable Edge Quantv2.04
について紹介します。

このEAは、単純なテクニカル指標のクロスや、一本の通貨ペアだけを監視する仕組みではありません。

10通貨ペアを横断的に分析し、USD、EUR、GBP、AUD、JPYの5通貨についてリアルタイムの強弱を算出します。その上で、欧州時間に生じた大きな乖離を「行き過ぎ候補」と捉え、短期的な反発を狙います。

1. なぜ通貨強弱を見るのか

FXでは、通貨ペアの価格変動をそのまま見るだけでは、値動きの背景が分かりにくい場面があります。

例えばEURUSDが上昇していたとしても、

  • EURが強い
  • USDが弱い
  • EURが強く、USDも弱い
  • 市場全体がリスクオンへ傾いている

など、複数の可能性があります。

そこで本EAでは、以下の10通貨ペアを同時に監視します。

  • EURUSD
  • USDJPY
  • GBPUSD
  • AUDUSD
  • EURGBP
  • EURAUD
  • GBPAUD
  • EURJPY
  • GBPJPY
  • AUDJPY

各通貨ペアの対数変動率を計算し、直近レンジで正規化した上で、5通貨の相対強弱を集計します。

これにより、単一チャートではなく、FX市場全体の中で「どの通貨が買われ、どの通貨が売られているか」を横断的に判断できます。

2. v1.00からv2.04までの改善

開発初期のv1.00では、東京時間につけた高値・安値を基準に、欧州時間のトレンド継続とレジーム崩壊を判断する設計を試しました。

しかし、検証を進めると、

  • トレンド継続型は取引回数こそ出るがPFが弱い
  • レジーム崩壊型は条件が厳しすぎて取引回数が少ない
  • 東京高安ブレイクを必須にするとシグナルが限定されすぎる

という課題が見えてきました。

そこでv2.00以降では、発想を切り替えました。

価格ラインのブレイクを主役にするのではなく、
通貨強弱そのものの乖離を直接見る
という考え方です。

当初は、

  • 小さい乖離なら順張り
  • 大きい乖離なら逆張り

という二つのモードを併用しました。

しかし、バックテストでは順張り側のシグナルが大半を占め、成績も安定しませんでした。

そのためv2.02では、順張りロジックをいったん主役から外し、
大きな乖離に対する逆張りロジック
へ集中しました。

3. v2.04のエントリー条件

v2.04の基本ロジックは、次の流れです。

  1. 10通貨ペアから5通貨の強弱を算出
  2. 通貨ペアごとの強弱差を計算
  3. 強弱差が一定値を超えた場合、行き過ぎ候補として認識
  4. 直近数本の値動きで、一方向へのインパルスを確認
  5. シグナル足のヒゲ反発を確認
  6. 終値が極端な位置に残っていないことを確認
  7. 反対方向へ逆張りエントリー

例えば、EURが大きく買われ、USDが大きく売られている場合、EURUSDには強い上昇圧力が生じます。

しかし、その値動きが短時間で行き過ぎ、上ヒゲを伴う失速が見られた場合、本EAはEURUSDの売りを検討します。

つまり、単純に「強い通貨を買う」のではなく、
強弱差が極端になった後の反動
を狙います。

4. 欧州時間フィルターの追加

v2.04で最も大きかった改善は、Entry Timing Filterの追加です。

欧州時間開始直後は、参加者の増加によって急激な値動きが起こりやすい一方、ノイズも増えます。

そこで、欧州時間開始後の時間帯を細かく分けて検証しました。

2025年1月1日から2026年1月1日までの結果は次の通りです。

  • 0〜30分
    取引回数8、PF0.00、RF-0.91
  • 0〜60分
    取引回数18、PF0.87、RF-0.16
  • 30〜60分
    取引回数11、PF2.03、RF1.08
  • 30〜90分
    取引回数20、PF1.94、RF1.04
  • 60〜90分
    取引回数9、PF1.85、RF0.75

この結果から、欧州時間開始直後の0〜30分は成績が弱く、少し時間を置いてから逆張りを行う方が良い可能性が見えてきました。

さらに、45〜90分へ絞った設定を検証したところ、

  • 2025年1月1日〜2026年1月1日
    取引回数14、PF3.31、RF2.07
  • 2023年1月1日〜2026年1月1日
    取引回数55、PF1.93、RF2.05

という結果になりました。

もちろん、これは過去データ上の検証結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

ただし、少なくとも今回の検証範囲では、
欧州時間開始直後ではなく、45分後から90分後にかけての反発局面
に一定の優位性が見られました。

5. ポートフォリオ設計

本EAには、将来的な拡張としてポートフォリオ機能も搭載しています。

現時点の研究ベスト設定では、候補の中から最も評価の高い1通貨ペアだけを取引する
PORTFOLIO_BEST_ONE
を使用しています。

一方で、EA内部には線形相関係数を用いた
PORTFOLIO_BEST_TWO_CORRELATION
も実装しています。

これは、候補となる2通貨ペアの相関を確認し、同じ方向へ偏りすぎる組み合わせを避けるための仕組みです。

将来的には、単一ポジションのEAだけでなく、複数通貨ペアを組み合わせたポートフォリオ型EAとしての発展も検討しています。

6. 今後の課題

v2.04は、現時点で研究上もっとも良い結果を示したバージョンです。

一方で、課題も残っています。

  • 取引回数はまだ多くない
  • ブローカーごとのスプレッド差を確認する必要がある
  • フォワードテストが必要
  • Best Twoポートフォリオ型の検証が未完了
  • 曜日別・通貨ペア別の分析も進めたい

特に、バックテストで良い結果が出たからといって、そのまま本番運用へ移行するのは危険です。

まずはデモ口座、または十分に小さなロットでフォワードテストを行い、相場環境が変化してもロジックが機能するか確認する必要があります。

signal reversion only testh

まとめ

レジームポートフォリオ – Stable Edge Quant.v2.04は、

  • 10通貨ペア横断分析
  • 5通貨のリアルタイム強弱
  • 対数変動率
  • ボラティリティ正規化
  • 行き過ぎインパルス
  • ヒゲ反発
  • 欧州時間フィルター
  • 相関係数を用いたポートフォリオ拡張

を組み合わせたクオンツ型EAです。

単純なテクニカルシグナルではなく、複数通貨の相対的な歪みからStable Edgeを探すことを目指しています。

今後も、バックテスト結果だけに依存せず、フォワードテストと追加検証を重ねながら、より安定したロジックへ改善していきます。