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MACDを価格ラインとして可視化する|MACD リカバリー プライス Stable Edge Tacticalを開発しました

macdを価格ラインとして可視化する|macd リカバリー プライス stable edge tacticalを開発しました

MACDを価格ラインとして可視化する|MACD リカバリー プライス Stable Edge Tacticalを開発しました

MACDは、テクニカル分析の中でも非常に有名な指標です。

多くのトレーダーが、MACDラインとシグナルラインのクロス、ゼロラインの突破、ヒストグラムの変化などを売買判断に利用しています。

しかし、MACDには一つの弱点があります。

MACDは通常、チャート下部のサブウインドウに表示されるため、

あとどの程度価格が動けば、MACDの状態が変化するのか

を直感的に把握しにくいのです。

そこで今回、Stable Edge Tacticalシリーズのインジケータとして、

MACD リカバリー プライス – Stable Edge Tactical

を開発しました。

このインジケータは、MACDが過去の基準値まで回復するために必要な終値を逆算し、その価格をメインチャート上にラインとして表示します。

Stable Edge Tacticalシリーズとは

Stable Edge Tacticalは、MACD、RSI、移動平均線など、代表的なテクニカル指標を軸として優位性を探るシリーズです。

確率過程、ADF検定、HMMなどを扱うStable Edge Quantシリーズと比べると、よりオーソドックスなテクニカル分析を題材としています。

ただし、既存の売買ルールをそのままEA化するわけではありません。

一般的なテクニカル指標であっても、

  • 条件を数式として定義する
  • エントリーのタイミングを分解する
  • 再現可能な形で検証する
  • 不要な条件をむやみに追加しない

という方針で開発を進めます。

今回のMACD Recovery Priceも、この考え方から生まれました。

開発のきっかけ

先に開発したEA、

MACD リカバリー プライス – Stable Edge Tactical

では、MACDダイバージェンスを利用したエントリーロジックを検証しました。

買い戦略では、

  • 価格が過去のスイング安値を下回る
  • MACDは過去の安値時点よりも改善している
  • MACDが基準値まで回復する

という流れを確認します。

売り戦略では反対に、

  • 価格が過去のスイング高値を上回る
  • MACDは過去の高値時点よりも低下している
  • MACDが基準値まで反落する

という状態を利用します。

この研究を進める中で、次の疑問が生まれました。

MACDが基準値まで回復するためには、価格が具体的にどこまで動けばよいのか。

MACDの数値だけを見るのではなく、必要な価格を逆算してメインチャート上に表示できれば、ロジックを視覚的に理解しやすくなります。

これがMACD Recovery Price開発の出発点です。

MACDの基本構造

MACDは、短期EMAと長期EMAの差です。

[
MACD = EMA_{short} – EMA_{long}
]

EMAとは、指数平滑移動平均線のことです。

単純移動平均線とは異なり、直近の価格をより強く反映します。

EMAの更新式は、次のように表せます。

[
EMA_t = \alpha \cdot Close_t + (1-\alpha)\cdot EMA_{t-1}
]

平滑化係数は、一般に次の式で求めます。

[
\alpha = \frac{2}{Period+1}
]

短期EMAの平滑化係数を (\alpha_s)、長期EMAの平滑化係数を (\alpha_l) とすると、

[
\alpha_s = \frac{2}{s+1}
]

[
\alpha_l = \frac{2}{l+1}
]

となります。

MACD Recovery Priceの逆算式

過去のスイングポイントにおけるMACD値を、TargetMACD とします。

現在のMACDがその基準値まで回復するために必要な終値を逆算すると、次の式になります。

[
RecoveryPrice=
\frac{
TargetMACD-(1-\alpha_s)Es[1]+(1-\alpha_l)El[1]
}{
\alpha_s-\alpha_l
}
]

ここで、

  • RecoveryPrice:MACDが基準値へ回復するために必要な終値
  • TargetMACD:過去のスイングポイントにおけるMACD値
  • Es[1]:1本前の短期EMA
  • El[1]:1本前の長期EMA
  • (\alpha_s):短期EMAの平滑化係数
  • (\alpha_l):長期EMAの平滑化係数

です。

この式を使うことで、

MACDが回復するために必要な価格水準

をメインチャート上に描画できます。

インジケータの表示内容

MACD リカバリー プライス – Stable Edge Tacticalでは、次の要素を表示します。

青色ライン:BUY Recovery Price

買い候補が発生した場合、MACDが過去の基準値まで回復するために必要な価格を緑色のラインで表示します。

価格がこの水準へ到達すると、MACDの回復条件が成立する可能性があります。

赤色ライン:SELL Recovery Price

売り候補が発生した場合、MACDが過去の基準値まで反落するために必要な価格を赤色のラインで表示します。

上昇局面におけるモメンタム低下を価格ベースで確認できます。

青色の上向き矢印

BUY側でMACD回復クロスが確定した場合に表示します。

赤色の下向き矢印

SELL側でMACD回復クロスが確定した場合に表示します。

右上ステータスパネル

現在の買い候補、売り候補、回復価格、候補発生後の経過本数、MACD設定を表示します。

macd リカバリー プライス stable edge tactical

確定足とリアルタイム投影を分ける

本インジケータでは、候補の発生判定に確定足のみを使用します。

形成中のローソク足を判定に使うと、価格変動によってシグナルが出たり消えたりする可能性があるためです。

一方で、すでに候補が発生している場合には、現在形成中の足についてもRecovery Priceをリアルタイムで投影します。

この構造により、

  • 候補判定は確定足ベースで安定させる
  • 現在の回復価格はリアルタイムで把握する

という2つの目的を両立しています。

ダイバージェンス候補の判定

本インジケータでは、単純なMACDクロスだけを表示するわけではありません。

過去のスイングポイントと現在の価格構造を比較します。

BUY候補では、

  • 価格が過去のスイング安値を下回る
  • 基準MACDがゼロラインより下にある
  • MACDが過去の値より改善している
  • 候補発生後、一定期間内に回復クロスが成立する

という条件を確認します。

SELL候補では反対です。

この条件は、先に開発したMACD ダイバージェンス EAの検証結果を踏襲しています。

EA検証から見えた傾向

MACD ダイバージェンス EAでは、2024年から2026年のUSDJPY・1時間足を対象として検証しました。

単純なMACD回復だけを利用した初期設定では、

項目結果
取引回数199
PF0.76
RF-0.66

となり、優位性は確認できませんでした。

一方で、狭義のMACDダイバージェンスに限定し、スイング判定と決済本数を調整すると、

項目結果
取引回数36
PF1.86
RF1.62

まで改善しました。

現時点では、次の傾向が見えています。

  • 単純なMACD回復だけではノイズが多い
  • 価格とMACDの両方に明確なダイバージェンスが必要
  • 回復までに時間がかかりすぎる候補は成績が低下する
  • 6時間程度の短期反発より、24時間程度の反転波との相性が良い

MACD Recovery Priceは、このロジックを視覚的に確認するためのインジケータです。

推奨設定

現時点の初期設定は、EA検証で比較的良好だった条件を採用しています。

MACD Fast EMA = 12
MACD Slow EMA = 26
MACD Signal = 9
Pivot Left Bars = 1
Pivot Right Bars = 1
Min Anchor Bars = 3
Max Anchor Bars = 30
Candidate Expiry Bars = 12
Require Zero Side = true
Require Fresh Recovery Cross = true
Require MACD Improvement At Extreme = true

まずはUSDJPYの1時間足で表示し、過去チャートを確認する使い方がおすすめです。

どのように活用できるのか

本インジケータには、いくつかの用途があります。

1. EAロジックの可視化

EAがどのような価格水準を意識しているのかを、チャート上で確認できます。

2. 裁量トレードの補助

ダイバージェンスが発生した後、回復条件が成立するまで待つ判断材料として利用できます。

3. 過去チャートの振り返り

BUY・SELL矢印を確認することで、どのような局面でシグナルが発生したのかを視覚的に分析できます。

4. MACDの理解

MACDを単なるサブウインドウの波形として見るのではなく、価格と結びつけて理解できます。

今後の改善予定

MACD リカバリー プライス – Stable Edge Tactical.v1.00は、初期バージョンです。

今後は、次のような改善を検討しています。

  • BUY・SELLラインの表示方法の改善
  • Recovery Price到達までの距離表示
  • pips換算の追加
  • アラート通知
  • スマートフォン通知
  • ダイバージェンスの強度表示
  • 5分足への展開
  • 複数通貨ペアへの適用検証
  • MACD ダイバージェンスEA – Stable Edge Tacticalとの連携強化

まとめ

MACDは、短期EMAと長期EMAの差を利用した非常に有名な指標です。

しかし、MACDの波形を見るだけでは、あとどの程度価格が動けば、MACDの状態が変化するのか

を把握しにくいという弱点があります。

Stable Edge Tactical – MACD Recovery Priceでは、EMAの更新式から必要な終値を逆算し、MACD回復価格をメインチャート上に表示します。

MACDを価格ベースで可視化することで、ダイバージェンスの意味をより直感的に理解できるようになります。

今後も、実際の検証結果を踏まえながら、機能とロジックを改善していきます。

※本記事は、特定の売買を推奨するものではありません。
※本インジケータは、将来の利益を保証するものではありません。
※実際の取引では、相場環境、スプレッド、約定条件、ブローカー仕様などによって結果が異なる場合があります。